子育てと一緒

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20161024

 企業の人材不足が深刻です。有効求人倍率はこの2年ほどは高止まりしています。原因は、企業の求人が増えたこともありますが、それ以上に求職者の減少が大きく影響しているのです。

 日本の人口ピラミッドを見ると、働ける年齢の人口が年々減っていることが良く分かります。今後20年間この傾向は止まりません。

 そんな話をしても、多くの人は他人事としか考えていませんが、今の日本の国家運営における課題の中ではもっとも深刻なものではないでしょうか。

 国の借金問題、原発問題、尖閣や北方領土問題さらには高齢者福祉問題よりもはるかに深刻な問題です。すぐにやっても効果が出るのに20年以上かかる少子化対策だからこそ先延ばししている場合ではないのです。

 実は、大石会計では大学生の新卒採用は昨年から諦めています。そこに時間とコストをかけてもそれに見合った学生の確保が難しいと考えたからです。

 平成になって、就職難の時代が長く続いたので、多少の売り手市場もまた結構なことだと思います。その方が会社側も社員の働く環境に対しての意識が高まりますから。

 しかしバブル期のように企業側が採用時のハードルを下げすぎると、数年後に大きな影響が出てしまいます。ただでさえ少子化で、親から愛情もお金も十分に注がれて育った子供たちですから、厳しさは間違いなく足りない世代なのです。

 世に出たら、社内だけでなくお客様関係でも、時には理不尽なことに堪えなくてはならない場面もあります。入社後に「えっ、そんなはずではなかった」となってはいけません。

 会社は未完成の社員を大切にしつつも、決して甘やかすことなく厳しく育てなくてはいけません。子育てと一緒ですね。このバランスが難しいのですけれども・・・。