「お客様にご満足いただくには、まずもって意識をお客様志向にしなさい」と上司に言われて、「なるほど、たしかに」なんて部下の意識が変わったという話は聞いたことがありません。
では、どうすればいいのか。意識ではなく行動を変えることから入るのがいいのです。昔から茶道や華道、武道、どれも型から入って心に至るのです。
お客様は御社の社員に意識の高まりなど求めてはいません。求めているのはただ小さな行動だけなのです。ですから「意識を高めろ」なんて言ってもあまり意味はありません。行動を変えることの方が100倍大切なのです。
では「お客様志向に行動を変えろ」と上司が言ったらどうでしょう。言われた瞬間は変わるかもしれません。しかし残念なことに、これもまたすぐに元に戻ってしまうのが普通なのです。
結局、言葉で部下を指導しようと思ってもなかなか上手くいかないということなのです。言うだけのteacherではなく、自らが行動で引っ張るleaderとなり、やるのが当たり前と思える環境作りをすることが大切なのです。
先日、ラグビー日本代表チームが欧州王者ウェールズから歴史的初勝利を収めました。その代表チーム主将の廣瀬俊朗選手は、チームをまとめるにあたってのキャプテンの心得3か条を次のように言っています。
○率先して行動する……自分が一番に練習グランドに行く
○皆を信じる……………調子が悪そうな時も頭ごなしに怒らない
○小さいことを積み重ねる…皆で円になって話をしながらスパイクを磨くことで「このチームのために勝ちたい」という思いが強くなる。
これは中小企業にも通じますね。経営者や上司は、何を言うかではなく、何をやるのかが大切。反省……。
『やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ』……山本五十六