2012年は一部の中小企業にとって、どうやって会社の延命を図るかがテーマの年となるでしょう。体力以上の借り入れを抱えてしまった中小企業にとって中小企業金融円滑化法(いわゆるリスケ)は一定の効果はありましたが、それも一巡したようです。
キャッシュフローを本業の利益で確保できずに、借入れと返済猶予で確保してもそれは本来の企業経営ではありません。借りたものは利益の中からきっちり返せるような経営をしなくてはなりません。
企業に利益が出ない原因は次の3点に集約されます。反対に利益を出すためにはここを改善するしかないのです。
売上が少ない
粗利益率が低い
固定費が高い
各社、売上を増やす努力はしていますが、どんなに努力しても一定の割合で固定客は減ってしまいます。ましてや何の特徴もない商品を提供していたのでは、減る一方です。
すべての面で平均点以上を目指そうとしてはいないでしょうか。そんな特徴のない商品が埋もれてしまうのです。平均点以下の面があったとしても、際立った強みを打ち出す方が商品に威力が出るものです。何か突き抜けた商品を提供しようと思うなら、別の何かを捨てる覚悟も必要なのです。その捨てる決定ができるのは社長だけなのです。
すぐに売り上げを増やすことができなくても、粗利益の改善でなにか工夫はできないでしょうか。円高や長年の慣習で仕入れ価格が適正でなくなっていることも少なくありません。
消耗品や事務用品の発注担当社員が惰性で仕事をしているということはないでしょうか。センスのある担当者に管理を任せたら、随分のコストが削減できます。家賃の賃下げ交渉を、完全成功報酬の請負会社に任せるのもありかもしれません。
震災復興の関係で、東北ではミニバブルが起きているといいます。なにか当社に関われることはないでしょうか。日本は少子高齢化と人口減少が社会問題化しています。一方、世界に目を向けると人口爆発が起きている地域もあるのです。その辺りに何かヒントはないでしょうか。
政治が悪い、景気が悪い、地域が悪い、業界が悪い。本当にそうなのでしょうか。悪いのは自分ではないでしょうか。どんなに他人や環境のせいにしたところで何も変わりません。誰も救ってはくれないのです。社長の決定あるのみです。