時は金なり

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 「自分の給料分は稼いでいる」と言って大見得を切る少し頭の弱い社員がいますが、本来は「自分の給料分しか稼いでいない」と反省しなくてはいけないところです。自分の価値を勝手に過小評価してはいけません。社員の価値は自分の給料分を稼ぐことにありません。

 会社が生み出した粗利から次のように経費が支出され、その残りが利益となります。一般的中小企業では①~④までの合計、つまり粗利は一人当たり1000万円です。

 ① 年間給料総額

 ② 法定福利費、厚生費、通勤費

 ③ 経常経費(オフィス空間、冷暖房、通信、交通費、研修費、接待費等)

 ④ 目標利益

 直接収益を上げられない間接部門の社員がいますから、営業マンは当たり前のように年間2000万円以上の粗利を稼ぎださなくてはなりません。裏方として地味な努力を重ねている人を含めて会社のインフラがあればこそ後顧の憂いなくお客様と対面できるのです。

 昔から「給料の3倍稼げ」と言われますが、最前線にいる社員が自分の給料の2~3倍程度の生産性しか上げていないのだとしたら、会社に対する貢献度は無いに等しいと心得るべきです。

 一人当たり生産性の基準額1000万円を年間労働時間(2000時間前後)で割ると、各人の時間当たりの価値が分かります。総務や生産現場の人も同じ考え方ですから1時間当たりでは5000円の生産性です。さらに60で割ると1分あたり83円の生産性となります。

 ということは、4人の社員が10分無駄話をしていると3320円が無駄になってしまうことになります。仕事中にタバコを吸う人は、1日に5回の喫煙で2000円が煙となって消えることになるのです。

 時は金なり、一時も無駄にはできません。意味のない会合や出張は今後も続ける必要があるかどうか検討する必要があります。