日本人の持つ恥の文化はどこに行ってしまったのでしょうか。一般サラリーマンの何倍もの稼ぎがあるお笑い芸人の母親が、生活保護費を受給していると世間を騒がせていますが、いくら芸人でもこれは笑えません。
法律的にどうなのかは分かりませんが、子どもが派手な生活をしているのに「貰わないと損」とばかりに親が生活保護費を受給しているのは間違っているとしか言いようがありません。どういう育て方をしたのかと思いますが、そういう育て方をしてきたのでしょう。親も親なら子も子です。
生活保護費や失業手当はともかく、補助金や助成金の多くは本来なくてもいいものなのです。頼んでもいないのに、国は勝手にいろいろな制度を設けてくれます。役人が自らの仕事創出と存在意義のために作っているとしか思えません。
受給手続きが簡単な制度は不正に利用されますし、補助金、助成金の類については情報を得た人だけがおいしい思いができるのです。これでは、財源となっている税金を負担している国民としても納得がいきません。
生活保護費の不正受給だけでなく、私たちの周囲には似たような不正行為がたくさんあります。企業における不正請求や偽装なども相変わらずです。不正とまではいかなくても、法律ぎりぎりの行為で他人よりも得をしたいと思う残念な人も多いのです。
会社ぐるみの不正行為で、社員に弱みを握られた経営者が社員からゆすられるという事例もあります。なによりも社内におけるその空気感が企業文化の一部となってしまいますから、そんな会社ではバカらしくて顧客満足なんて気にもならないでしょう。
私たち税理士が、不正といって真っ先に思い浮かべるのは脱税です。税務署には多くの脱税情報が市民から寄せられます。なかでも現職の社員からの情報は、税務調査に動きたくなるおいしい情報だといいます。あなたの会社は大丈夫でしょうか。社員との関係も含めて、身辺はきれいにしておきたいものです。