最近の若者は、覇気がないと言われます。いい奴なんだけれども、なんだかパッとしない……そんな人が多くなった気がします。尖った人や型破りな人がいた方が活気あるし、なにより面白いと思うのですが。
会社でも、無理をしてまで出世したいとは思わないようです。そして若者に限らず、管理職になりたくない人が増えているのだそうです。立場が高くなるほど、プレッシャーやらストレスにさらされるのは確かですが、そこに面白味があるのではないでしょうか。
こんな上昇志向のない人たちが増えたのでは経済力が弱まるに決まっています。私は、日本の経済低迷の原因は国民そのものにあるような気がしてなりません。エネルギー問題、少子高齢晩婚化、高い税金などではないのです。同じような条件でも元気な国はたくさんあるのですから。
とかく若者の風潮は批判されがちですが、突然そうなったのではありません。私は日本の戦後教育がそうさせたのだと思っています。知識の量が問題なのではなく、日本人としてのアイデンティティや、人としてのあり方、そういったことを学校で教えなくなったことに問題の根本があるような気がしています。
その意味では、50代の私たちが受けた教育もたいした違いはありません。違うのは、私たちの若いころには戦前派の人たちが周囲にたくさんいて、その思想に触れていられたことです。
太平洋戦争では「愛国」「一億玉砕」のもとに、戦場で逝った若者だけでなく、民間人までもが愛国を叫び多くの命が散ってしまいました。欧米列強は、日本人は滅亡さえも恐れない空恐ろしい民族だと思い、教育面から骨抜きにしようとしたのです。戦後のGHQ主導による教育改革で、軍国主義からの転換が行われました。
そして、見事に占領軍がイメージしていた通りになりました。「思想及び良心の自由」、「信教の自由」の名のもと、愛国教育や日の丸掲揚、君が代斉唱は天皇制や軍国主義復活につながると、まったくもって骨を抜かれた国民に成り下がってしまったのです。
世界のどこに愛国教育を否定する国があるでしょうか。教職員組合員たちは、中国や韓国の反日教育と愛国教育をどのように思っているのでしょう。日本人としての尊厳はどこに行ってしまったのでしょうか。
日本の歴史教科書に文句をつける隣国ですが、その隣国の反日教育に日本政府がクレームをつけたなどとは聞いたことがありません。
隣国からは、戦前の植民地政策や慰安婦について謝罪と賠償を求められていますが、フランスやポルトガルが、かつての植民地奴隷政策について、アフリカの国々に対して謝罪や賠償をしたという話は聞いたことがありません。我が国も歴史教科書に関して近隣諸国の反応をいちいち気にせず、国民にきちんとした歴史教育をしていくべきです。
日本人として、人としての強さが戻ったら日本経済は復活すると信じています。小学校から「論語」を教えたらいいのです。そのためにも、教育改革にすぐに着手してほしいものです。いま始めても、20年はかかるのですから。