当社で導入している適性検査を私自身が受けたところ、「責任感が若干弱い」と判定されました。責任感は強い方だと自分では思っていましたが、解説を読むと「確かに」と思えるところもあります。
経営者には、責任感が弱いと判定される人が多いのだそうです。心配事や気にかかることがあっても、いちいち拘っていたのでは会社の経営などできません。切り替えが大切なのです。胸を張るわけではありませんが、責任感の弱さは経営者向きの性格なのだそうです。しかしそれならそれで、判定を「切り替えが早い」と表現してくれたらいいと思うのですが。
人が持つ性格や特性は、長所と短所が紙一重というか表裏なので、見方によっては良くも悪くも見えてしまうものなのです。持続性の高い人は、几帳面でコツコツ頑張れる反面、順応性が低いことがあります。積極的な人は自発的な行動をする反面、先走ってしまう傾向にあります。自主性が高い人は、自らの判断で行動できる反面、立ち止まって考えずに突っ走ってしまうことがあります。達成欲求が高い人は、目標に向かって努力する反面、他者にも厳しいことがあります。勤労意欲が高い人は、意欲的に職務にのぞみ自己実現を図ろうとする反面、家庭を顧みないこともあります。
現有社員に適性監査を行う場合は、良いとか悪いとかの判断に使ってはいけません。それでは、ただ面白おかしくなるだけです。それぞれの社員の個性を掴み、能力や可能性を上手く引き出してあげるためのツールとして使うのがいいのです。
社員の能力の発揮は、上司や社内環境に大きな影響を受けます。モチベーションが低いと判定された社員の場合、その社員ばかりを責められません。上司や社内の環境に問題があるのかもしれません。ひょっとしたら、社長であるあなた自身が一番の問題ということはないでしょうか。
そもそも、私も自身を省みてみると、そんなに褒められた個性でもありません。私など、自分のような人間が周りに大勢いたのではやり難くてしょうがないと思ってしまいます。異なる個性を持つ人々が集まった組織のほうが危機耐性は強い気がします。適性検査は、そんなことにも利用できてしまいます。ご興味のある方は担当者まで。