社長、社員としっかりコミュニケーションとれていますか? 多くの社長は自信満々に「イエス」と答えます。本当でしょうか。
ある調査では、9割近い社長が社員とのコミュニケーションがしっかり取れていると答えています。ところが一方、同じ質問に対して、7割近い社員が十分なコミュニケーションが取れていないと答えているのです。
楽しい話ではありませんが、最近では退職した社員が会社を訴える例が少なくありません。訴えの内容は、パワハラ、セクハラ、未払い残業等です。あるクライアントの社長にそんな話をしたところ、「当社は社員とのコミュニケーションが良いから大丈夫です」と言ったものでした。
それから二月が経ったある日「恥ずかしいのですが、当社でも起こってしまいました。しかも二人です」と、くだんの社長から報告がありました。嫌な話は社長の耳にはなかなか入ってこないものなのです。
中には、はじめから会社を食い物にしようと思って中途入社してくるタチの悪い社員もいますから、気を付けないといけません。みなさまの会社は大丈夫でしょうか。
私も社内には私の意思が十分伝わっていると思いたいところですが、果たしてどうでしょうか。社長の思いと社員の受け止め方の間には大きな温度差があるものです。社長自身、思っていることのすべてを言語化することは難しいですし、言語化できないものは社員には伝わりません。
社員に伝わっているかどうかを確かめるのでしたら、社員に社長の考えを語らせてみたらよく分かります。時に、社長の言葉は社員の心に響いていないだけでなく、意見の押し付けと受け止められていることすらあるのです。
そもそも、どのようにしてコミュニケーションをとっているのかも大切です。誰だって自分の話を聞いてほしいものですから、まず社員の話を聞くことから始めないといけません。今も、書きながら反省しています。