成功と失敗

LINEで送る

 相変わらず厳しい状況が続いている世の中なのに、私は人さまから「順調なのは大石会計だけ」とか「儲かっているのは大石会計だけ」なんてよく言われます。

 現実はどうあろうと、よさげに見られるのはありがたいことです。明るく振る舞う、誠実に振る舞う、優しく振る舞う、本当の自分自身はどうであっても楽しげに演じることはとても大切なことです。人の感情は態度となって表れるのですが、反対に態度が感情を変えてしまうというのもあるのです。簡単には変えられないのが精神状態や感情ですが、態度でしたら気合や意志で変えられそうです。

 私が税理士を選ぶ立場でしたら、地味で体裁の上がらない税理士と、明るい社員に囲まれて元気に振る舞っている税理士の、どちらがいいかと聞かれたら、間違いなく後者を選びます。類は友を呼ぶとか同類相憐れむと言いますが、似たような人たちが引き合うものですから、出来るものならいい人たちと引き合いたいものです。

 これは私が大事にしていることなのですが、学ぶべきものの多くはプラスの事象にあるということです。失敗の反対が成功ではありません。成功と失敗とは全く違うものなのです。

 つまり成功は成功したことから学べるのであって、失敗したことから学ぶことは少ないものです。失敗経験者が100人集まってもほとんど何も生まれません。失敗しない方法あるいは失敗したときの対処法を学ぶことはできても、成功する方法は学べないのです。夫婦生活がうまくいかない人の話をどんなに聞いたところで、幸せな夫婦にはなれないのとおなじことです。

 一度や二度の失敗は誰にでもあるのですが、失敗やトラブルを繰り返す人は、技術や知識に問題があるのではありません。人生観や思考の習慣に問題があるのです。難しいことだと思いますが、無意識や潜在意識の世界が変わらないことには根本的な改善には近づけない気がします。習慣は無意識や潜在意識の世界なのですから。

 ある業界で上手くいった人は別の業界に行っても成功する可能性は高いのです。そんな成功している人の多くは、素晴らしい人生観と人格を持った方々なのです。そこからは学ぶことがたくさんあります。ですから、ビジネスに限らず充実した人生を送っている人とたくさん出会えたらいいなと思っています。