「無断で欠勤を続ける社員がいたら」、「共働きの男性社員が子育てで毎月数回の欠勤、早退を繰り返したら」「休職中の社員から給料支払いの要求がきたら」、「鬱と診断された社員がいたら」、「男性社員から育児休暇の申し出があったら」、「休職から復帰を望む社員が軽作業しかできないと言ってきたら」………こんなとき、あなたの会社ではどのように対応しますか。
顧問先の会社の社員に対する諸問題に積極対応するために、大石会計では社会保険労務士を採用することにしました。複雑化する労務問題について、いままでの体制でのお役立ちは難しいと思ったからです。 ところで、多くの社労士さんと面接をしてみて、ある面白い傾向があることに気が付きました。こちらの、「どんな社労士になりたいのですか」との質問に対して、6〜7割の社労士さんは「労働者のために働きたい」「労働者の権利を守ってあげたい」と答えるのです。
勉強をしてきた内容はそうだったのかもしれませんが、青い(お尻です)としか言いようがありません。いったい誰からお金をもらって商売しようとしているのでしょうか。世の中の大半の社労士さんは、企業から報酬を得て生計を立てているのです。税理士が税務署のために働きたいと言っているようなものです。企業の側に立っていい会社づくりのお手伝いをするのが私どもの使命です。
私たちは、いい会社こそが多くの人たちを幸せにできると信じています。いい会社では経営者が掲げる理念に共鳴した社員が共通の目標の達成に向け協働するのです。一人当たりの生産性が高く、社員は高待遇で労働分配率が低く、家族や友人に自慢したくなるような会社、それが目指したい会社の姿ではないでしょうか。
そもそも労働者という言葉の響きがよくありません。経営者と社員の関係を、強者と弱者、搾取する側とされる側、と考えるからおかしなことになるのです。役割の違いはあれども、両者は同じ船に乗って同じ港を目指している同志なのです。経営者と社員は対立しているのが当たり前と考えていたら、いい会社など作れる筈がありません。