日本はいつからこんなにプライバシーにうるさい国になったのでしょうか。かつては個人主義の欧米はプライバシーを大切にし、日本は集団主義で和を大切にしていたものですが、いまでは日本の方が個の意識が強くなった気がします。
採用面接では不適切な質問事例として血液型、結婚の予定、父親の職業、家族構成、好きな本、尊敬している人物、購読新聞名、信条としている言葉などが挙げられています。これらは仕事に関係なくプライベートなもので基本的人権の侵害につながるというのです。
血液型や結婚予定はともかく、その他のものは本人の人格形成に影響しないわけがありません。一緒に働く仲間ですから学歴や技術だけが優れていればいいということはありません。住まいや、年齢、出身地、主義主張などお互いのバックボーンが分かるからこそ絆が深まるのです。採用面接の場においては、聞きにくいことを聞くことにこそ意味があるのです。
また、某銀行では電話に出るときに本人の名前を名乗らない方針だと聞きました。理由は行員をストーカー等の被害から守るためなのだそうです。銀行以上に得体の知れない不特定の顧客が出入りするデパートガールの方が危険極まりないと思うのですが。
さらには、病院では患者の名前が呼ばれなくなり、学校でもクラス名簿に住所や電話番号がなくなるなど不便な世の中になってきました。患者の取り違いに繋がらなければいいものですし、卒業アルバムにモザイクが入ることのないように祈るばかりです。
最近話題のfacebookは実名登録を基本としています。しかし、これには欧米人より日本人の方に抵抗があるようです。プライバシーの面で不安があるということなのです。だったら必要な情報のみ公開すればいいのです。実名や顔を出すからこそ如何わしい人が入ってこられないのです。ネットで炎上してしまうのは実名を出さないからなのではないでしょうか。
プライバシーにも病歴、財産、負債、前科、遺伝情報など守られるべきものはありますが、あまりに主張しすぎると、円満な社会生活に支障が起き国家的にも損失が大きくなります。安心して堂々と実名で社会生活が営める世の中になって欲しいものです。