みなさまの会社では、東日本大震災以降どのように節電に取り組まれたでしょうか。震災からしばらくの電力事情は日本人の生活習慣が変わるのではないかと思えるほどでしたが、このごろでは意識はすっかり元に戻ってしまったという方も少なくないと思います。
大石会計では、震災後社員の提案で照明の数を減らしたりエアコンの設定温度を上げるなどしております。結果、4〜8月の電気代の対前年比は7.5%減となりました。これが多いのか少ないのか分かりかねますが、会社を挙げて何か意味のある活動をしている姿は、それ自体が素晴らしいことです。その活動やこだわりは価値観の表明ですし文化そのものです。何のこだわりもない会社というのは褒められたものではありません。
ところで、みなさまは昨年の夏がとても暑かったことを憶えているでしょうか。今夏の暑さについて、「昨年の夏に比べたらまだマシですね」と言いますと、多くの方が昨年の記録的な猛暑を忘れてしまっているのには驚きです。昨年の夏は史上最高の猛暑に見舞われて、一日の最高気温が35度超の猛暑日が東京で37日もあったという超異常な夏だったのです。私も人のことは言えませんが、人間というのは改めて忘れやすいものだと思ってしまいます。
忘れないためではありませんが、自分への戒めとして社内で私の部屋だけは3月の震災の日以降一度もエアコンのスイッチを入れておりません。寒い日にはブルゾンを羽織り、暑い時には扇風機を回しています。世の中には厳しい環境に置かれている人もいると考えると、暑いだの寒いだのと言っていられません。つまらないことかもしれませんがこれが私のこだわりなのです。
傍から見ていると、良いも悪いも会社に症状となって表れることのすべては、経営者のこだわりによるものだと分かります。中小企業の場合、経営者個人の生き方が会社そのものなのです。会社の文化を変えようと思ったら、経営者のこだわりを変えることが必要なのです。