ゴルフのラウンド終了後のクラブハウスでは、「あのOBさえなかったら」、「あそこの3パットがなければ」、「あの池ポチャがなかったら」、「木の根っこにさえ止まらなかったら」。タラレバがないのがゴルフなのに、あちこちで今日の言い訳が聞こえてきます。
今日のプレーでなにが悪かったかはすぐに浮かんできますが、良かったことはよほど意識しないと思いだすことはできないようです。恐ろしいことに、多くの人は無意識の内に失敗にフォーカスしてしまう習慣があるのです。なにが恐ろしいかというと、失敗したことやマイナスのことを口にすることで、脳にマイナスイメージの摺り込みがされてしまうことです。
ミスショットの原因はいくらでも並べたてることができますが、それは問題の解決にはなりません。それよりも、ナイスショットを打ったときの心境、感触、タイミングを思い出す作業をすれば問題は解決すると言うのは、精神科医でありカリスマPGAインストラクターのデビット・ライトです。
ゴルフに限ったことではないのですが、マイナスの摺り込みが習慣になっているのでしたら、それはすぐに改めなければなりません。マイナス言葉は失敗体験を積み重ねるのと同じなのですから。
大石会計の朝礼では「ハッピースピーチ24」と題して、24時間以内にあった「ありがとう」の出来事を発表してもらうコーナーがあります。嫌なことや悔しいことはいくらでも思い出せるのに、ありがたいことやハッピーなこととなると、すぐに思い出せない人が案外多いものです。
同じものを見ても人によって見え方や感じ方は違います。よくある例えですが、コップ半分の水を「まだ半分もある」と考えるのか「もう半分しかない」と考えるのか。その思考の習慣で長い人生はずいぶん変わったものになります。
欠点から目を背けてはいけませんが、欠点や短所を気にし始めると本来伸ばすべきいいところが見えなくなってしまいます。どうせ見るならいいところに焦点を当てるほうがいいに決まっています。世界レベルのアスリートで自分の欠点に焦点を当てる人はいません。
ラウンド後のお風呂場では、今日のナイスショットを思い出すのがいいのです。そして寝る前に、もう一度いいイメージで眠りにつく。そんな習慣ができたらシングルプレーヤーへの道も夢ではないかもしれません。