社内で自主性を高めるための決め手は社員のやる気です。その社員のやる気というものは、経営者が良いものや感動するものに触れる機会を与えてあげることで、社員の心の中に芽生えてくることが多いのではないでしょうか。人から指図されてやっているうちは自主性など出ようもありません。
そして、何より大切なことは社員を信じて任せることです。任せた結果、良い行動が見えた時にはその都度褒めてやることも大切です。わたし自身は褒め上手ではないのでエラそうには言えませんが、どんなに良い行動でも、それが習慣にならないことには残念な結果に終わります。そのためには、その都度褒めるというのがいいようです。
半年ごとの賞与の時までその評価を取っておいてまとめて褒めてやるのは、褒められた当人にしてみれば気分はいいかもしれませんが、忘れそうな遠い過去のことを褒められても、それが習慣になるにはどうかと思います。
例えは悪いのですが動物の調教をイメージしていただけると分りやすいかと思います。動物の調教では教えたとおりにできたらすぐに餌をあげます。一日分まとめて後で餌をあげたのではうまく仕込むことはできません。
これは人の場合も同じではないでしょうか。良い結果を出した時や良い行動をとった時にはすぐに褒めてやるのです。頭で考えてやっているうちは習慣ではありません。無意識に行動となって出てしまうことが習慣ですから、何度もなんども繰り返しその都度褒めてやることで、それが習慣となって身についていくのです。
個人が身につけている良い習慣はひとつの優れた能力を持っていることと同じです。どんなに能力が高くても良い習慣を持ち合わせていないと良い結果は得られません。反対に多少能力が低くても良い習慣が身についている人には予想以上の結果がもたらされます。
社内で多くの人が習慣化していることは、もはや企業文化そのものと言えます。良い習慣をもった社員の集団はそれ自体が差別化になります。良い習慣を作るためには経営者が社員の良い行動を繰り返し肯定することが大事なのです。