とりあえずやってみなはれ

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 経営が順調な会社の社長の共通点の一つは非常識さにあるのではないかなという気がしています。常識的なことをやって上手くいくのでしたら、世の中のまともな人はみんな成功者になってしまいます。残念ですが現実はまったくそのようにはなっていません。上位数%の経営者にとっては世間の常識は非常識で、非常識が常識なのです。

 そんな経営者は、必ず上手くいくという根拠のない自信にあふれ次から次へと行動を起こします。それがみんな上手くいくかというと全くそんなことはなく、意外に無駄なこともたくさんしていて合理的ではないのが面白いところです。

 反対に、困ってしまう経営者は、ただ考えているだけで行動できない人たちです。考えれば考えるほどいろんなケースや可能性が広がってしまいますから思考は混乱してしまいます。そもそもやってみなければ結果がどうなるかなんて分からないのです。

 考えることで上手くいくのでしたらずっと考え続けたらいいのです。しかし、考えることには大した意味も価値もなく、行動にこそ意味があるのです。やってみて結果がよくなかったら、そこでまた少しだけ考えて次の一手に出ればいいだけのことです。

 冷静に考えていたら何も出来なくなってしまいます。普通の人にとっては、やるための理由よりも出来ない理由のほうが簡単に思いつくのですから。多くの人と同じ行動をするのは常識的な人ですが、それでは大きな成功は望めません。

 エジソンは「天才は1%のひらめきと99%の努力」と言いました。天才だって99%は努力なのです。凡人にはひらめきなんて1%もありません。大切なのは無駄とも思える努力のほうではないでしょうか。

 無駄をすべて避けて合理的にやろうなんて無理なはなしです。なにより合理性ばかりを追求するのでは楽しくありません。役にも立たない、ためにもならない、そんな無駄な努力にこそ神様が時々ご褒美をくださるのではないのでしょうか。「とりあえずやってみなはれ」が文化になれたらきっといい会社になると思うのですが。