社長に必要な資質

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 社長業はとても厳しく難しい仕事です。夜中に目が覚め眠れなくなった経験はどなたにもあるはずです。特に昨今の環境下では、並みの人でしたら精神的に押し潰されてしまいます。多少いい思いができる場面はあっても、やはり厳しいのが社長業です。

 しかし一方で、これほどやり甲斐のある仕事もありません。業種ではなく社長業そのものにやり甲斐があるのです。周囲に大きな影響を及ぼすことに喜びを覚えるような人には、いつかはチャレンジしてもらいたいものです。生まれ変わっても、またなりたいのが社長業なのですから。

 とは言うものの、誰もが経営者に向いているわけではありません。上手くいっている社長とそうではない社長、そこにどんな違いがあるのでしょうか。以下に、わたしが社長の資質としてあったらいいなと思っていることを書き出してみました。全て揃っている必要もありませんが、これらの要素に無縁の人は社長業など目指さない方がよいでしょう。

1.情熱があること。
どんなに知識があり、スキルがあろうと情熱がなければ経営は続けられないし、人は  ついてきません。情熱 なくして成功した人などいないのです。

2.ビジョンがあること。
ただ頑張ることで上手くいくのではありません。どのようにやりたいのか、どのようにありたいのか、将来のイメージがないことは実現できません。同業者を真似て、後をついていくだけでは困るのです。

3.営業力があること。
素晴らしい企画力や創造力も、それを営業し売り込む力のない会社の成功する可能性は限りなく小さくなります。いいモノは黙っていても売れる、というほど商売は甘くありません。

4.覚悟を持った決断ができること。 
オープンディスカッションも結構なのですが、重要なテーマについてはみんなの総意や平均値で決めてはなりません。最終責任はすべて社長が負うのです。責任ある立場の人とそうではない人とでは決定に違いが出るものです。

5.社員に誠実であること。
社員が辞めていくのは価値観や人格を認められないからです。カリスマ性などは経営者にとって特別必要な要素ではありませんが、社員に対する慈しみ深さは大きく成功する社長の必須要件です。

6.能力のない人を使えること。
普通の会社では、それほど能力が高くなくてもやっていける仕事があるものです。そんな仕事でも喜んでやってくれる社員も、会社にとっては大切な人です。会社は4番バッターだけでは運営できないのです。

7.自分より優れている人を使えること。
多くの社長には社内で自分より能力の高い人を敬遠する傾向がありますが、何でもできるマルチ社長はいません。営業力のない社長は優秀な営業マンを、経理の苦手な社長は優秀な経理マンを使えばいいのです。

 わたし自身、50年生きていてもまだまだ学ぶことばかりです。特に社員に対する慈しみについてはいつも反省しっぱなしです。もっとも、学ぶことがあるからこそ人生は面白いのだと思っています。わが人生、まだまだ面白いことが当分続きそうです。