分かれ道

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 あなたの人生が映画だとしたら、これからのドラマをどのように展開させるでしょうか。あなたが、これまでどんな人生を歩んできたのかはともかく、これからの人生をどれだけ意義あるものにしていけるのかはあなた次第なのです。

 いま、あなたの前に2本の道が延びているとします。右の道は、これまであなたが歩んできた道の延長線上にある道です。この道の様子はおおよそ見当がつきますから不安はありません。

 一方左の道は、あなたが過去に経験したことのない道ですが、あなたをより輝かせてくれる道です。未知な世界であるだけに、そこが険しいのか否かは先へ進んでみないことには見当もつかない怖さがあります。

 日常的にそういった選択ばかり迫られるのが経営者ですが、そこが経営の面白いところです。多くの場合、良いとか悪いとかの問題ではありません。どちらかと言えば安全主義なのかチャレンジ主義なのか、その偏りを感じながら人間観察するのも面白いものです。

 ふたつのうちどちらかを選ぶという場面が2回あった場合に、その判断の組み合わせは4通りあります。つまり判断の仕方によって4通りの異なる結果が出ることになります。

 では同様にその判断する場面が10回あったとしたら、どれだけの組み合わせになるでしょうか。この場合実に1024通りもの組み合わせとなります。ですから他者と同じ結果になることはあり得ません。しかも実際の経営判断の場合を考えると、単純な二者択一ではなくて三者であったり五者であったりしますからなおのことです。

 そんな白黒つきかねる事柄に、判断を下していかなければならないのが経営判断です。そんなときに、データや人の話を参考に理屈脳で合理的な分析をしてから判断を下す人が多いのですが、案外感性で選んでしまったほうが上手くいくことも多いものです。理屈ではなく内面からの盛り上がりの方が周囲を巻き込んで勢いづけますから、冷静に分析して計算づくで行くことより、結果として上手くいってしまうことも少なくありません。

 わたしは1年後を今と同じ心境、環境で迎えることは絶対に避けたいと思っています。「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」とも言います。たとえ今が満足できる環境であったとしても、右の道に進むことはわたしにとってはあまり楽しいことではありません。多少大変でも左の道ならワクワクできそうです。