大石会計事務所のある国立市は小さな街です。面積は都内で小さいほうから2番目、全国では同じく5番目で、端から端まで歩いても1時間もかからないほどです。
人口約73,000人、そんな小さな国立市で登録している税理士は50数人です。国立市内にあるコンビニが10数件ですからそれに比べると3〜4倍の多さです。これを過当競争と言うのかどうかは分かりませんが、私はそのように思ったことはありません。
どの業種にも共通して言えることなのですが、寡占状態よりも少し過当競争気味の方がいいのです。競争時には業界内でお互いが切磋琢磨しますし、その結果お客様はより高い水準のサービスを受けることができるのですから。
これは、景気が悪いときにも同様のことが言えます。この場合は市場の需要が減るのですから、結果としては供給過剰の過当競争状態になるのです。反対に景気がいいときには、どの業者も優劣がつかずに横並びになる傾向にあります。
つまり、真剣にお客さま目線でサービスを提供しているお店も、何気なくやってしまっているお店も結果に差が出づらいのが好況時です。
景気が悪くなると、厳しい消費者の目にさらされますから、より本質が、しかも値段に比べていいものなのかが問われます。つまりいい業者と悪い業者の差がはっきり出るのが不況時なのです。業績が景気に比例して上がったり下がったりするようでは、競争力が並以下ということになるのです。
さらに、年商10億円に満たない会社は景気よりも経営者のマインドの影響が大きいのです。三越やイトーヨーカドーならともかく、中小企業の経営者には、サラリーマンの可処分所得が落ちたから当店の売上が落ちたなんて言い訳はして欲しくはありません。それは評論家がすればいいのであって、中小企業の経営者にはあまり関係のないことです。
こんな時だからこそ、もう一度わが社のサービスを見直してみてはいかがでしょうか。不景気だからこそ人員過剰で余った時間があるのですから。