人材採用

LINEで送る

 100年に一度の大不況と言われている今、企業にとってはまさに100年に一度の人材採用のチャンスでもあります。有能な人材獲得のためには多少無理をしてでもそんなチャンスの風に乗るのもいいかもしれません。  

 企業にとって人材育成は大切なのですが、はじめの採用段階がなにより肝心です。あまりよくない人材を採用してしまうとその後の教育ではなかなか取り返すことが難しいからです。大企業と違って、中小企業では一人二人の社員の出来不出来がその後の組織人事に大きく影響してしまいます。

 そうは言っても中小企業には、人材を募集するに当たって自社の誇れるものも褒められるものも少ないのが普通ですから優秀な人材はなかなか応募してきません。ですから数少ない優秀と思われる人材に出会ったときには絶対に逃したくないものです。そんなときには経営者が熱く熱く会社の将来についてビジョンを語ってみることです。相手のことを探ろうなどと思わずに、こちらの考えを応募者に真剣に伝えてみることです。応募者に経営者の夢と情熱を直接語りかけることができるのは中小企業ならではです。

 そのためにも経営者は日ごろから会社の将来をイメージしておくのがいいのです。現在在籍中の社員にしても、いつでも社長が目の前で熱く夢を語ってくれたならモティべーションが上がらないはずがありません。いま現在の業績や待遇などはあまり関係ありません。それは大企業では経験できない臨場感のある経営なのです。

 反対に中小企業に就職を希望する応募者の側は、本人のやりたいことはもちろんなのですが、面接においてオーナー社長の人生観や哲学を感じとることが重要なポイントです。というのは、中小企業のオーナー社長の人生観や哲学はそのまま企業文化となりますから、それに合わない人は大きなストレスを抱えてしまうからです。

 会社の文化はそうそう簡単に変わることはありません。変わることがあるとしたら経営者の哲学に変化のあったときですが、そんな他人の変化などあてになりません。ただ、誰にとっても理想的な会社などありえませんから社員の側にも多少の妥協は必要です。そのうえで、どうしてもその会社の文化に合わない場合には、長い目で将来を考えるとお互いのためには辞めてしまうのもいいのです。そして人生観を共有しあえる経営者の下で働くのがいいのです。