あなたの会社には、他社と比べて明らかに優れていると言えるなにかがあるでしょうか。他社にはない強みがあるといいのですが、普通の中小企業には技術力もブランド力もないのが当たり前です。それがないからこそ中小企業なのです。
そんな中小企業が大企業に勝つためには、大企業と同じ戦略をとっていたのではお話にもなりません。大企業とは価格競争などの体力勝負は避けなくてはいけませんし、また技術力勝負に持ち込もうにも人的資源も物的資源も乏しいのが中小企業です。
要するに、大企業と真っ向勝負をしてはいけないのです。どうやっても売上高の勝負では勝てるはずがありません。しかし特定の地域や特定の顧客に限定した勝負でしたら、戦い方によっては中小企業が大企業を食ってしまうこともあります。つまり、局地戦でしたら大企業相手でも互角以上に渡り合えるのです。
大企業がもっとも苦手としていることは、きめ細やかな対応です。ですから中小企業はこのきめ細やかさを持ち味にすることは極めて有効です。資金も技術もブランドもない中小企業にとっては、このきめ細やかさこそがお客さまに安心感や信頼感を与えるのではないでしょうか。
反対に、きめ細やかさの足りない企業はそれが中小企業同士の戦いであっても苦戦してしまいます。また、もしも大企業がこのきめ細やかさを持ってしまったとしたら、中小企業では到底太刀打ちできなくなります。
そんなことを気にしなくてもいいくらいに技術力や商品力に磨きをかけ続けるようとすることは結構なことなのですが、それで勝負できる中小企業は100社に1社です。技術力や商品力に注力するあまりお客様不在の対応になってしまうことに気をつけなくてはなりません。
お客さまが特定のレストランに行くのは美味しいからだけではありません。むしろ行かなくなるのは美味しくないからではなく、行きたくなくなるような気分にしてくれるお店だからなのです。