あなたには右腕と呼べるような部下がいますか。いてくれるといいのですが、真の右腕と呼べるような人は本当に少ないものです。大石会計の顧問先企業を見渡しても、序列上のナンバー２はいても、社長と価値観を共有できかつ能力ある本当の意味での右腕がいる会社は100社に1〜2社といったところです。

　右腕というと、わたしの中では社長と一心同体のイメージがあります。中小企業の場合、身内を除けば社長と一心同体と言えるような関係の幹部社員は滅多にいません。ですからわたしは社内ナンバー２であるというだけで右腕と表現することはしません。

　多くの方には意外かもしれませんが、男性社長の下で社内のナンバー２が女性であるという会社は少なくありません。そしてそんな女性幹部を登用している会社の多くは業績もなかなか好調のようです。もちろんこの場合の女性は、社長の奥様でもなければ関係が訳ありの女性でもありません。

　以前、ナンバー２に女性を擁している社長にその理由を伺ったことがあります。その社長の答えは意外なもので、「女性は裏切らないから」とのことでした。そう言われると、確かにわたしもこれまでの人生で女性に裏切られたことは一度もありません。なるほどと、なぜか妙に納得したものです。

　女性は一見ソフトのようですが、つまらない駆け引きもせずに単刀直入に用件を伝える方が多く男性よりも仕切り上手なのかもしれません。中小企業の少ない人的資源を有効に活用するためにも、幹部の登用には積極的に女性を考えてみるのはいかがでしょうか。灯台下暗しといい、眠っている人材がすぐ近くにいる可能性もあります。

　そしてなにより大切なのは、幹部が男性、女性どちらであってもいいのですが、少なくとも幹部に登用する人は社長と同じ方向を向いているということです。

　では既に登用した幹部に、社長と向いている方向が違う人がいるとしたらどうするのでしょうか。その場合は、何も考えることなく即刻降格させるのがいいのです。