心機一転

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 数ヶ月前のコラムで宣言したとおり、大石会計事務所は引っ越しました。旧事務所が業務をするうえで特に手狭になったというわけではなく、ましてやこんなご時世ですから本来であれば引っ越しなんて気分にはならないところなのですが、やってしまいました。

 たかだか10数人の小さな事務所が、120坪を超えるバカみたいに広すぎる事務所への身の程知らずな移転です。これまで社内研修や大石会計主催のセミナーなどは外部の会場を借りて開催していたため、それが自社内で行えるとはいえ、狂っていると言われても仕方がありませんし、家内からもおバカさん呼ばわりされました。しかし将来をイメージしていたら、どうしても引っ越しを抜きには考えることはできなかったのです。

 先に形から入って中味はあとから、そんなやり方もありだと考えているわたしです。しかし今回はその形が少し大きいため、いつもとは違う緊張感があります。それでもこれまでの経験からすると、それほど遠くない将来にその器にあった自分たちになっていくであろうし、そう信じるしかありません。

 もっとも、わたしたちは広くてきれいな事務所に引っ越しすることを目的に経営をしているわけではありません。そんな事務所に引っ越しするのも、これからの大石会計のやりたいことを実現させるための必要なことだと考えたからこそです。

 社員が家族や恋人に「ここがおれの職場だよ」と胸を張って言えるようなそんな事務所にしたい。それはいつもわたしが思っていることです。ただ働いて給料をもらってくる、それだけの会社ではまったく楽しくありません。

 見せかけではなく、社員であることに誇りを持て、いるだけで成長していける会社、できることなら存在そのものが素晴らしいと評価されるような会社にしたい、それがわたしの願いです。そんな会社の実現に向けて、多少の無茶をしてでもやるしかなかったのです。

 それにしても今回、スケルトン渡しというのには驚いてしまいました。意味は分かっていたつもりですが、実際に事務所をスケルトンで渡されてみると、当たり前ですが何もなくなっていました。壁、床、天井はもちろんトイレの便器まで一切合切撤去されてしまうのですから、これは絶対に地球に優しくないなと心が痛みました。