みなさまの会社では、社内コミュニケーションはうまくいっているでしょうか。「知らぬは親ばかりなり」ではありませんが、うまくいっていると思っているのは社長だけで、社員の側には言いたいことも言えずにストレスがたまっているなんていうことはありませんか。
もっとも、物わかりのいい上司が部下の不安や不満を聞いてあげようとすると、とたんに怒涛のごとく吹き出して来て収拾がつかなくなるようでは困ります。
誰だって人間ですし、程度の違いはあれ不安も不満もあるはずです。それがないような脳天気な人などあまりお目にかかったことはありません。一見すると悩みなどないように見える人でも、そのように振舞っているだけなのです。
不安は聞いてやることによって、和らいだり治まったりします。ですから、聞いたことに対して無理に回答を用意する必要はありません。不安は喋ってしまうだけで精神的に楽になれるのですから、聞いてあげるだけでも十分なのです。
一方、聞けば聞くほど大きくなってしまうのが不満です。つまり、不満は口にすることでますます増幅してしまうものなのです。愚痴をこぼし合って、言い終わった後でスッキリして、その不満が解消されるなんてことは普通ありません。
ですから、新橋のサラリーマンが居酒屋でやっているような上司の悪口や仕事の愚痴は、どんなに言い合っても何の解決にもならないどころか、逆に嫌な思いがなおのこと増幅してしまうのです。言い終わった後のスッキリ感は絶対にないのですが、他人の悪口や愚痴は言っている間は蜜の味ですから盛り上がるし楽しいものです。
上司はこのことをそういうものだと割り切って、社員の愚痴など軽く聞き流してしまうことです。誰だって不満なんてあるに決まっているのですから聞いたふりだけしていたらいいのです。案外、不満を言っている人が、ほかの人にとっての不満の対象だったりするのですから。