混乱

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 わたしたちは自分と違う考え方に出会うと、しばしば混乱して心の中で抵抗してしまいます。一方で、混乱は新しい気付きや変化のきっかけでもあります。つまり、成長は混乱から始まることが多いのです。

 それは会社が大きな変貌を遂げようとするときも同じです。もちろん、なんの混乱もなく会社を大きく変化させることができたなら、それが一番いいのですが現実には少し難しいようです。むしろ混乱なき成長はあらずと言ったほうがいいかもしれません。

 良い方向に向かう変化であってもその変化は当事者にとっていつも心地よいものとは限りません。そもそも変化それ自体が混乱なのです。ですから成長期にある会社は、外部から見た華やかさとは裏腹に内部は案外穏やかではありません。しかし混乱そのものが悪いわけではないので、前向きな混乱まで後退と勘違いしないことです。

 現状に満足した人は、その居心地の良さに新たな挑戦を避けるようになります。変化には多かれ少なかれリスクはつきものですし、あえてリスクを冒してまでチャレンジする必要性を感じなくなるのでしょう。

 しかし、企業経営における現状維持は進歩の妨げどころか後退です。避けなくてはならない危険はリスクではなく、会社の存続を脅かすようなデンジャーな事態なのです。

 会社そのものだけではなく若い社員にとっても、特に20歳代の人たちは何事にも積極的に挑戦して欲しいものです。若いほど失敗しても失うものは少ないのですから躊躇せずに挑戦することです。たとえ失敗してもその失敗こそが貴重な経験・財産となるのです。

 挑戦することでリスクが生まれるのではありません。むしろ挑戦することなく年齢を重ねていく方が、よほどリスキーな人生になってしまう可能性が高いことに気付いてもらいたいものです。その先に待っているのは他人を頼って生きる人生でしかありません。他人に振り回され続ける人生なのです。

 変化した後には心地よさが訪れると期待できる会社がいいですね。信じられなくなると誰でも辛くなってしまいますから。社員は未来に期待が持てている間は現状が多少辛いと感じていても現在に耐えてくれるものです。

 社員が辞めてしまうのは、いま現在の業績や待遇が悪いからではありません。たとえ現時点で満たされていなくても、将来に期待が持てるから頑張って耐えてくれるのです。そうするためにとても有効に機能する道具が一つだけあります。それは社長自身が作った経営計画書です。経営計画の中味は社長の方針と夢であるとともに、社員にとっては自分たちの将来でもあるのです。