営業マンの成績はお客様との接触時間に比例すると言われています。営業マンにどれだけ気合を入れたところで、根性だけでは大きな成果は期待できません。会社の業績が伸びないのもクレームが多発するのも、お客様との接触時間の少なさが原因であることが多いのです。
中小企業の経営で一番かかるコストは人件費です。この人件費を節約するために、お客様との接触時間を減らそうとするのは愚の骨頂です。それでは確かに人件費は減りますが、それ以上に収益も減ってしまいます。
合理化を図るためにお客様との接触時間を減らすのでしたら無店舗、無人、機械化などのシステムが効果的なのかもしれませんが、それでは意味がありません。お客様との接触時間の確保のための合理化と心得るがいいのです。合理化の結果お客様との接触時間が短くなるようでは本末転倒ということになります。
お客様に、売った商品の価値以上の満足を感じていただくには、こちらがどのように商品を提供するかが大切です。お客様は、いま目の前にいる提供者を見て価値観を感じ取るのですから、同じものを売っても提供者によって高く感じたりまた安く感じたりもするのです。
もちろん、時にはお客様は見えないところでの準備、移動、加工などにかけた時間を評価してくださることもあります。しかし多くの場合には、実際に目の前で直接接触している末端の社員の立ち居振る舞いによって、商品やサービス自体を判断されてしまうのです。
いい営業とは、決定に対して最も影響力のある人との接触時間をより多く確保することです。御社の営業マンが、勤務時間中にどれだけお客様との接触時間を確保できているのかを、一度検証してみてはいかがでしょうか。
そしてもちろんですが、営業マンのモチベーションが下がった状態での接触でしたら、接触時間が長ければ長いほど、それは相手にとってはこの上なく迷惑で不愉快なものになってしまうのです。