新税理士誕生

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 本年の税理士試験において大石会計事務所から新たな合格者が生まれました。入社7年目のMさんです。昨年は勝手に盛り上がっている周囲の期待に応えることができませんでしたが、今年は見事にやってくれました。

 税理士資格は一部の例外を除いて、会計学と税法の合計5科目合格した者に与えられる国家資格です。最終合格までたどり着くことができる受験生は1000人中21人と言われています。その約2%の合格者が最終合格を勝ち取るまで平均8.6年かかるそうですから気が遠くなります。Mさんはその全5科目を働きながら勝ち取ったのですからたいしたものです。

 彼の勝因の一つは、税理士受験に際して出来ない理由を一切口にしなかったことです。とかく受からない人は受からない理由をあれこれ並べてしまいがちです。どうして勉強ができなかったかなどということは、どれだけ論じてもなんの意味もありません。その原因が自分の中にあるのではなく、仕事や家族その他の環境にあると言い訳して逃げてしまうからです。

 試験には白か黒しかありません。白に近い黒だったとしてもまったく意味がありません。どうして黒だったのかを分析することも必要ですが、成功は成功、失敗は失敗、ただそれだけです。試験に関しては次回につながる失敗などないと思え、が私のモットーです。

 自分だって勉強すれば受かる……その通りでしょう。誰だってちゃんと勉強すれば受かるのです。そのちゃんと勉強できるかどうか、つまり結果を信じ込んで努力し続けることができる能力こそが重要なのです。

 元読売ジャイアンツの桑田真澄投手は「自分には才能はないけれど、努力をする才能はあると思う」と言いました。必ずうまくいくという保証がないことを、途中で心が折れることなく最後までやり通す。諦めた時が失敗なのです。

 近年、税理士試験の受験生が減っているそうです。景気が悪くなると資格志向が高まるかと思えばそうではありません。若い人たちにとっては、他の国家資格と比べて難易度の割にうまみを感じられない資格になっているのかもしれません。