さっさと決断することです

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「ビジネスで最も大切なのは人脈作りだ」と公言する方がいます。「大学に行くのは人脈作りのため」なんていう話も聞きます。たしかに、ビジネスだけでなく政治の世界でも人脈が幅をきかせている傾向は見受けられます。しかし、それにはわたしは納得がいきません。

 もちろん、人間関係はとても大切なものですし、これを否定しては社会生活が成り立ちません。わたし自身多くの方に助けられて今日がありますから、人との出会いも関わりも大切にしなくてはいけないと心から思います。ところが、それを『人脈』と称することには少し抵抗を覚えてしまうのです。わが子が「人脈作りのために大学に行く」なんて言ってきたら「バカヤロー」と間違いなく言ってしまうでしょう。

 これは、自分の役に立ちそうな人だけを選って人間関係を作るといった、わたしの『人脈』に対する勝手なイメージがあるからなのかもしれません。なにか要領のいいずる賢い生き方に思えてしまうのです。

 政治家や芸能人に積極的に近付こうとする人もいますが、それもカッコよくないですね。こちらが与えるものが少なく、一方的に相手の地位や名声を利用しようなどというのもどうかと思います。

 人間関係において、何かの見返りを求めるようでは困りますし、求められても困ります。利用するのではなくお互いが影響し合えるような関係が理想的なのではないでしょうか。こちらが困ったときに、「おまえのためなら」と言って損得勘定なしに駆けつけてくれる友人がたくさんいてくれたら素晴らしいことです。

 『類は友を呼ぶ』とも言いますから、ひとは自分に見合った人と出会うものなのです。大きな人物、魅力的な人物、有能な人物と出会いたいのなら自分自身がそれに見合った人物にならなくてはいけません。

 与えられるものよりも、与えるものが多いくらいの人間関係がちょうどいいのではないでしょうか。また、それぐらいの心構えの方が、結果的には良い人間関係に恵まれるのではないでしょうか。自分らしい生き方の中で偶然にできる、控え目ぐらいの人脈作りがちょうどいいのです。