会社の価値は客単価で決まるといわれます。一般的に企業経営においては客単価×客数=売上高が問題になるのですが、客単価が高いということはブランド力が優れていることの証でもありますからとても大切なことなのです。
似たようなサービスやモノでもお店によって値段に差があるのはよくあることです。同じモノなら、高く売り続けられる会社がいい会社であり、また1円でも高く売ることができる営業マンが有能な営業マンです。反対に、同じモノでも「値引きしなければ売れない営業マンは能力がない」と言ったらお分かりいただけるでしょうか。
たとえばレストランの場合、客単価8,000円のA店と15,000円のB店とでは、お料理はもちろんですが、客層も大きく違ってきます。そして、なによりも店員のプライドが違いますから、それは立ち居振る舞いにも当然表れることになります。数量が同じだけ売れるのでしたら、客単価の高いB店の方がいい会社に決まっています。
もちろん、1円でも安く消費者にお届けすることに使命感を燃やす会社も存在します。しかし価格破壊は資本力のある会社に任せておけばいいのです。安値戦略は、中小企業は絶対に足を踏み入れてはいけない領域なのです。
ここで値付けが利益にどのように影響するのかを例を使って考えてみましょう。
(例)
客単価が1,000円
売上原価&集客コスト900円
利益100円
このケースでは、売上原価と集客コストに変動がないものとして、売価を10%値上げすることで利益は2倍〈1,000×110%△900=200〉になります。もしくは数量を2倍売ることでも利益は2倍〈(1000△900)×2=200〉になります。
つまり2倍の利益を確保するのには、10%の値上げをするか、数量を2倍売るかのどちらかということになりますが、販売数量を2倍にすることは簡単なことではありません。
ちなみにこのケースでは1%の値上げで利益は10%〈1,000×101%△900=110〉増えるのですから、価格戦略の重要さはご理解いただけるのではないでしょうか。
しかし断っておきますが、同じお客様に高く売りつけることが大事だと言っているのではありません。いかに安易な値下げが利益に悪い影響を与えるのかをお分かりいただきたいのです。