利益は出ているのにキャッシュがない。これは企業経営においてよく起こる症状です。企業におけるキャッシュは血液にもたとえられます。その流れが悪くなるといろいろな症状が出てきますが、仕入代金の支払いが遅れて商品仕入ができなくなると会社は潰れてしまいます。会社が潰れるのは赤字だからではありません。キャッシュの流れが悪くなるからなのです。
通常の経営でキャッシュフローが悪くなる原因の主なものは以下のとおりです。
①利益の減少
売上減や経費増で利益が減るとキャッシュは減少します。
②売上債権の増加
売上が増えても、それが現金売上だとすぐにキャッシュの増加となるのですが、掛売りですと売掛金が回収されるまでは資金は増えません。回収できない売掛金が増えれば資金不足を起こします。
③仕入債務の減少
仕入が増えても、掛けで仕入れて買掛金を支払わないでいるうちはキャッシュの流出はありませんから資金は減少しません。現金仕入を増やすほど資金不足になります。
④在庫の増加
仕入れた商品は売れることではじめて資金化されます。売れずに店先や倉庫に積んであるうちは資金が固定されているのです。この在庫が増えると資金不足になります。
⑤資産の増加
不動産や設備投資をすることでキャッシュは減少します。
⑥借入金の減少
借入金の返済をすることでキャッシュは減少します。
キャッシュフローをプラスにするには、上記と反対のことをすればいいのです。つまり利益を増加させ、売掛金の回収を早め、買掛金の支払いを遅らせ、在庫を減らし、資産も減らし、借入金を増やせば会社の資金繰りは良くなるにきまっているのです。