承認の「見える化」

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 目標を設定しただけで、部下に対して具体的なやり方を何ひとつ指示しないでいると、実績はなかなか出せないものです。教えた仕事を部下がきちんとやっているのか、チェックするのはリーダーの大事な仕事のひとつです。
 部下が望ましい行動をできない場合には、理由は二つしかありません。

   ① やり方が分かっていない
   ② やり方は分かっているが継続できない

 やり方が分かっていない人には、やり方を教えなくてはいけません。つまり会社にとって、いい行動とは何なのかを具体的に示してやるのです。

 また、やり方が分かっていたとしても、それをやり続けないことには意味がありません。社員の自主性に任せておいたら、たとえ良いことでもやり続けることができない人のほうが圧倒的に多いものです。習慣になり文化になるまでやり続けることができたら素晴らしいことなのですが。

 そのためにも、いい行動に対してはすぐに褒めたり賞賛したりする仕組みが必要ではないでしょうか。望ましい行動をする都度、承認することをシステム化したいものです。行動したことを承認された社員は、再び認められようと同じ行動を繰り返すのです。この承認する仕組みを、誰が見ても分かるように「見える化」できたらさらにいいことです。

 多くの会社では、社員の評価は年に数回しかない賞与や昇給の時に行なわれます。しかし、それではプラスの評価をされた社員は、どこをどのように評価されたのか分かりません。数ヵ月も経ってからの評価では、どの行動を承認されたのかが分からないのです。

 一方、マイナスの評価をされた社員にしても、マイナスの行動をしたこと、あるいはプラスの行動をしなかったことに対しての評価なのだと、後になって言われても改善のしようもありません。そのダメだった行動をその都度指摘してくれというものです。

 行動の積み重ねが結果になるのですから、いい行動を習慣化できたら素晴らしい結果が生まれるに違いありません。反対に、よくない結果を変えるのには行動を変えるしかありません。

 つまり承認するにしても、月間表彰やキャンペーン表彰では遅すぎるということです。社員が望ましい行動をしたら、その直後にそれを認めてやることで、その行動は強化され定着していくのではないでしょうか。