「息子には会社を継がせたくない」・・・・・・業績がよくてもそう判断される社長が多くなった気がします。
経営者の人生観や経営観、会社に対する思いを一番理解しているのが家族です。ですからご子息が会社を継ぐのが一般的です。
日本では同族企業というと、後継ぎは世間知らずのバカ息子といったイメージもありますが、欧米では同族だからこそ創業理念を守ることが出来るとリスペクトすらされています。
社長業には苦労が付きものですから、多くの社長が眠れない夜を経験しているはずです。同じ苦労を息子にさせたくないと考える社長の思いも理解できます。
無借金で数千万円の賃料収入があった貸しビル業の社長が、息子には店子との交渉は無理だからとビルを売却してしまった例もあります。難しいと言っても貸しビル業ですからね・・・。
もちろん苦労だけでなくやり甲斐があるのも経営者です。ただ儲けの追求だけでは虚しく卑しい職業ですが、お客様や社員に人生をかける、これを諦めずに追求したら必ずいい会社が出来るはず。
私が理想とする会社は国分グループです。オーナーの国分家を中心にした素晴らしい企業文化を持った創業400年、同族の1兆円企業です。
オーナー家の社員に対する慈しみ深さは、国分の社員を通して私どもにも伝わりますから本物です。もしも国分が上場したらそんな素晴らしい文化が残せるでしょうか。
同族企業だからこそ、閉ざされた企業だからこそ出来る、経営者の思いがこもった会社、創ってみたいものです。