夢、ビジョン、志

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20170206

 若手コンサルから「社長がビジョンを語らずして、いい会社は実現できない」と言われてムカついた社長がいます。なんだか分かる気がします。

「経営者は夢を語れ」「経営者にはビジョンが必要だ」、さらには「経営者は志を持ったほうがいい」とも言います。本当にそうなのでしょうか。夢、ビジョン、志はどのように違うのでしょうか。

 夢は将来の妄想や野望です。お金がない、時間がない、人手がない、能力がない・・・・・・出来ない理由をすべて取り払って、あらゆる条件が整ったとした場合に実現したい将来像です。

 ビジョンは夢を具体化したものでもあり、いつまでにどのように実現したいのかのイメージです。構成員の気持ちを鼓舞するメッセージでしたら最高です。これを文字と数字にしたら経営計画になります。

 社長が夢やビジョンを語らなくても、目の前のお客様に喜ばれることを一所懸命やることでそこそこ上手く運営できている会社もあります。しかしそれだけではいずれ限界が来ます。お客様に喜んでもらった結果、会社を社員や社会にとってどのような状態にしたいのかを社長が表明できたら業績が加速する会社は多いと思います。

 さらに志となるととたんに水準が上がります。これを持つ経営者に出会うことは本当に稀です。志は個人的な欲を超えたところで、他人や社会を変革したいという使命観から来るものです。煩悩多き私などまだまだ修行が足りないので、偉そうに志について語れる立場にはありません。

 有能な社員ほど強制や管理で動かすことは難しいものです。社長が社員に何を語るかよりも、社長が何をするかを見ています。つまり何を言うかではなく、誰が言うのかで人は動くので、上に立つものは心しないといけません。ああ、今日も反省です。