今年も暑い税理士試験のシーズンが近づいてきました。私が受験した30年前は、どこもエアコンのない蒸し風呂のような試験会場ばかりでした。流れ落ちる汗を防ぐためにハチ巻きをして受験したものです。
思い返すと3年間の受験生活のうち、ホントに自分を追い込んで集中したのは勉強に専念した1年間だけでした。そのたった1年が人生を変えました。
私は若いころ亡き父から、「男の人生は20歳台で決まる」と何度も言われてきました。仕事や勉強で心が折れそうになったとき、その言葉を思い出して「なにクソ」と気合を入れたものでした。
あれから30年、当時のようなファイティングスピリットも薄れてきた気がします。失うものが多くなったときに安定志向になるのかもしれません。
かつては、わが子が成長して自立することや住宅ローンを完済する日が来るのを楽しみにしていました。
ところが50歳前後から、それらが実現されるときには確実に老いに近づいているのだと考えるようになりました。肩の荷が下りることにワクワクしなくなったのです。
時間がないこと、借金があること、思うようにならない社員やわが子に心を病むこと、そんな時こそが人生の充実したひと時ではないでしょうか。
困難がありつつも、自分にとって価値ある目標を順に達成していくことで充実した人生が送れるのです。
困難の大きさと達成感の大きさは比例します。いつまでもチャレンジャーでいたいものですね。