部下を叱るのって難しいですね。私は叱ることは楽しくないので、出来るなら幹部社員に任せていつでもいい顔をしていたい方です。
叱った結果、部下との関係が深まる上司と、離れてしまう上司がいます。部下がちゃんと出来ていないから叱るのですが、上司の心持ちが部下の育成なのか、意に沿わない部下の説教なのかで結果が違う気がします。
「最近の若者は」なんて言われて心が動く若者はいません。「勉強しないと立派な大人になれないよ」と、正論を言われてその気になる子供がいないのと同じです。
基本的な考え方や思想に原因があっても、部下といえどもそこを指摘されたのでは受け入れられないものです。そこは放っておいて、行動を注意し改めさせるのがいいのです。
私が社員と面談する時、注意する時、叱る時は、人によって対応が違います。時には、「バカ野郎」とか「悲しいよ」と感情をぶつけることもありますが、それで関係が悪くなった経験はありません。誰一人嫌いな社員はいませんから、きっとそれは相手にも伝わっているのだと思います。
上司が理路整然と正論を並べて説教しても、出来ないものはできないのです。やろうという気持ちにさせないのが正論です。そこに理由はありません。
人は一人では幸福になれません。自分が誰かに貢献したと思えた時に自分自身に価値を感じます。部下のダメな点を発見するのではなく、やる気にさせるのが上司の最大の仕事です。誰だって何かしら貢献しているのですから。
私は社員が大石会計で働いてくれていることがありがたいです。出社した私のデスクに山のように積まれた退職届・・・・・・そんな夢を何度見たか分りません。社員の存在そのものがありがたいのです。
もちろん腹が立ったり、残念に思ったりすることはありますが、これは子供に対する思いに似ています。この感情は、幹部社員にも分かってもらえないかもしれません。
日頃から部下に対して「ありがとう」の気持ちがあったら、叱ろうが怒鳴ろうが大丈夫です・・・たぶん。