大石会計の毎週水曜日に行なうゴミ拾いは、はじめて10年近く経ちました。私の知らないところで「なにか地域貢献したいね」と社員が勝手に始めた自主活動がその原点でした。
活動を始めた当初は、「選挙にでも出るのか」とか「いい人ぶって」「宗教っぽくなった」とか陰口をきかれたものです。ベクトルが合った集団を指して宗教っぽいなんて、ある意味で最高の褒め言葉かもしれません。
夏は汗まみれになりながら、冬は手がかじかむ中でゴミ拾いを続ける、そんな奇特な社員は私の自慢です。
私は恥ずかしながら、自分たちがこの活動をするまで、奉仕活動をしている人に対して、ありがたいとか、感謝の念で見ることは少なかったものです。
いまでは自己犠牲を払いながら地域貢献されている方々を見かけると、ありがたい思いになります。たとえ「いい人ぶって」やったとしても、わずかな自己犠牲だったとしても、私は頭が下がります。
徳には陰徳と陽徳とがあります。前者はまだ夜も空けぬ早朝にゴミ拾いをするように人知れず徳を積むことです。後者は人からありがとうと言われるような徳を積むことです。
中国人がそうしているかは知りませんが、中国では陰徳を積めば運勢が上がると言うそうです。あなたが「最近ツイてる」なんて思えるとしたら、それは積んだ徳のご褒美なのかもしれませんね。
私は陰徳を積み続けられるほど人間が出来ていません。陰徳ほどではないけど陽徳でも運は回ってくるそうですから、いいことは続けていきたいものです。