鼻の差

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 頑張ったら必ず上手くいくと、分かっていたら誰でも頑張ります。山の向こうにパラダイスがあると確信が持てないのに、やり続ける、耐え続けるには、心の強さが必要です。

 右に行けば険しい道、左に行けば平坦な道、誰もがそんな分かれ道で迷ったことがあるはずです。

 どっちを選んでも得られる果実が同じだとしたら、あえて険しい道を選ぶ奇特な人はいません。迷ってしまうのは、険しい道の先にはより甘そうな果実があるからです。

 そんなときには険しい道に進むのがいいのです。私は58年の人生の中で、平坦な道を選んで人生が大きく好転した試しが一度もありません。当たり前ですよね、穏やかな道は人生に変化などもたらしません。

 もし並の能力の人が、人並み以上になりたいと思うのであれば人より頑張るしかないのです。でも、すごく頑張る必要はありません。人生は案外鼻の差で決まるものですから。

 どこかで聞いた話ですが、テニスでポイントを取る確率が55%の人が試合に勝つ確率は90%だそうです。同じくポイント率60%の人はほぼ100%試合に勝てるそうです。

 人生の長い戦いでは、圧倒的な差で勝つ必要もありません。小さな勝負や競争で勝率5割以上の実力差があれば、人生トータルで人並みを大きく超えるのではないでしょうか。私のような凡人はコツコツ努力を積み重ねるしかありません。

 最近の若者は、どんな結果が出るか分らない過酷な道に、時間やお金や覚悟を掛ける人が少ない気がします。頑張る、耐えるということが格好よくないと思っているのでしょうね。豊かな世の中も良いのやら悪いのやら…。