「徳を積むと幸せになる」と言います。善い行いは善い現実を生み、悪い行いはその反対です。因果応報ですね。
徳には陰徳と陽徳があります。人知れず徳を積む陰徳、人目に触れる徳が陽徳。勲章をもらったり、褒められたりする善行は陽徳です。尊いのはもちろん陰徳ですが、なかなか出来るものではありません。
徳というとハードルが上がる気がしますが、小さな善行ならできそうです。ファミレスで料理を運んでくれたウェイトレスに、コンビニでレジのお兄さんに、「ありがとう」のひと言を添えるステキなお客がいます。駐輪場の倒れている自転車を元に戻す人がいます。そんな小さな徳なら明日からでも出来そうな気がしませんか。
世の中で成功している人は、自分の人生は運が良かったと言います。「俺は成功して当たり前」と言った経営者には会ったことがありません。出会いをはじめ、一見すると運と思えることも、その人の積み重ねてきた徳が形になった瞬間なのかもしれません。
大石会計では週一回の地域清掃を行なっています。これは10年以上前に大石会計の若手社員が、「世の中の役に立つことをしたいね」と勝手に始めた自主活動です。奇特な社員たちです。
この地域清掃は、大石会計のロゴ入りポロシャツを着てやっていますから、陰徳とはほど遠い行為です。始めた当初、「お前は選挙に出るのか」と言われたことがありますが、何の見返りも期待したことはございません。それを宣伝に使うのだとしたら、労力とコスト面で割が合いません。
地域清掃が直接的に営業に繋がったことはありませんが、結果として社員とのいい出会いに繋がっています。そこにこそ損得勘定や合理性だけでは説明できない、明らかに善い現実が生まれているなというのが実感です。