人間は、本質的には皆平等ですが、現実の社会生活においては上司・部下、先輩・後輩、年長・目下と上下の人間関係があります。それらは平等とは少し違う関係です。
人はみんな平等だからといって、この上下の人間関係をわきまえずに振る舞うとおかしなことになってしまいます。
人生は実力次第と思ったら大間違いです。99%は人との関係の中で人生は営まれているのですから。
上司や先輩、年長者への気遣いはだいたい誰でも出来ます。出来ないようでは円滑な社会生活が難しくなります。これは儒教の国々だけでなく世界の常識です・・・たぶん。
一方、立場が下の者に対する振る舞いには個人差がでます。若い人ほど無慈悲になりがちです。
育った環境が良ければ思いやりのある言動になるのですが、環境が良くない人は後天的な体験次第です。苦労をした方がいいのです。
人に使われたことのない人に仕えるのは辛いものです。苦労をしたことのない人は、思いやりが欠けがちだからです。経験したことでないと分らないのです。頭だけでは察しはつかないのです。
思いやりがあるか否かは立場上位者の徳です。上司に求められるのは、ひと言で言うと「仁」に尽きます。でも、私も反省ですが、これが難しいのですよね。
『己の欲せざるところ、人に施すなかれ』(論語:顔淵第十二)・・・・・・自分が嫌だと思うことは、他人にもしてはいけない。