いま定年制を見直す企業が増えています。YKKは正社員の定年を廃止し、ダイキン工業は希望者全員が70歳まで働き続けられる制度を始めました。
これは国策に沿った変更であるとともに、労働力不足という会社側の事情もあります。
しかし考えてみたら、本人の実力や意欲とは無関係に、60歳や65歳になったら「ハイ、お疲れさま」という定年制度もおかしな話です。欧米では、定年退職そのものを年齢差別として禁止している国もあります。
その一方で解雇規制は日本のように高くありません。アメリカでは解雇は一般的なので、突然のレイオフはニュースにもなりません。日本には日本の文化があるので、なんでも欧米流がいいとは思えません。
日本の65歳以上の高齢者就業率は欧米と比べたら随分高いことをご存じですか。日本のシニアの働く意欲は高いのです。これも『働くことは美徳』とする日本、『労働は苦役』とし年金受給と同時にさっさと引退する欧米……きっと宗教や文化上の影響なのでしょう。
私は、引退後に燃え尽きて無気力になった自分を想像したくありません。社会的に孤立し、頭も気も使わなくなり、朝から晩まで家でゴロゴロしていたのでは家族から疎まれてしまいます。
仮に経済的余裕ができたとしても、私は健康でいられる限り働き続けます。次世代の邪魔にならないように、むしろ若者たちを支援できるような立場で仕事をしていきたいです。
シニア社員が年金を受給しながら、人の役に立って仄かに輝き続けられる職場を作っていきたいものです。