緩んだ心に“喝”

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 国のコロナ対応で多くの会社が右往左往しています。売り上げ減少に歯止めがかからない業種もあります。

 多くの方から、「顧問先の状況はいかがですか」と聞かれます。立ち行かない会社が多いのだろうと思われがちです。あに図らんや、中小企業の多くは世間のイメージほど状況は厳しくありません。

 たしかに一部には目を覆いたくなる業種もあります。しかし飲食業をはじめに多くの中小企業者にはコロナに関連して手厚い給付金や補助金が支払われています。業況が悪化した会社には要件が緩和された融資もあります。

 元々経営が厳しかった会社が、コロナ関連施策で命拾いした例は少なくありません。コロナ様々です。その影響か、現在の国内倒産件数はこの20年で最も少ないのです。

 問題は、やがてやって来るアフターコロナです。借りたお金は返さなくてはいけません。借りるときは簡単でも、返すとなったら大変です。

 飲食業者を見ても、補助金を受給して休業している店舗もあります。社員やアルバイトに辞めてもらった会社もあります。気持ちが緩んでしまった経営者も見受けられます。その状況から復活できるのでしょうか。

 コロナ、コロナと大騒ぎして後ろ向きになっている場合ではありません。世界的には1~3月期決算企業の6割が2年前のコロナ以前の純利益を回復しています。

 最近発表されたところでは、トヨタが2兆円、ソフトバンクグループが5兆円、ソニーが1兆円……売上ではなく純利益ですから驚きです。

 日経平均株価の2021年4月末終値は2万8812円でした。コロナ以前の2019年12月末終値2万3656円から20%以上の上昇です。

 動乱期にこそチャンスがあるものです。倒産が少ない、景気が良い、株価も高い、そんな環境の中、貰えるものは貰えと国の施策に頼ってばかりでは情けないです。この動乱期を、まずは自分たちの力で乗り切ろうと思考を巡らせようではありませんか。

 なまった身体に、緩んだ心に『喝』です。