あなたは税金をたくさん払いたいと思えますか。税金は対価性がない、つまり見返りのない支出なのでそんな奇特な人はいませんよね。
では年収が増えた結果、税金の支払いが増えることについてはいかがですか。つまり、年収が増えたら税金も増えるが、年収が減ったら税金も減るという場合です。これなら税金が増える方がいいと思えますね。
会社はザックリですが利益の約3分の1が税金となります。100万円の税金を払いたくなかったら300万円の経費を使えばいいのです。
しかし税金を払いたくないと言う社長の多くは、300万円の経費を使わずに100万円の税金を減らしたいと考えます。基本的にはそんなうまい話はありません。
税金を少なくする裏技を教えるのが税理士の仕事だと考える人がいますが、私は税金を多く払った方がいいと言う変わった税理士です。
もちろん必要であれば税金を1000万円でも1億円でも減らす提案はできます。それが会社の将来の収益に貢献するならやるべきですが、多分それは会社のためにはならないと思います。
会社の決算書には損益計算書と貸借対照表があります。損益計算書は税金を払わなければ利益は残らない仕組みになっています。実際には利益に対して税金がかかるのですが、とにかく税金を払わない会社には利益がないのです。
そしてより大切なのは貸借対照表の方です。そこには過去に生み出した利益の累計が記載されています。ですから私たちプロは、優良企業かそれなりの会社かは貸借対照表を見て一発で見分けます。
利益が出ているから銀行はもちろん取引先や社会からも評価されますし、社員にもよくしてあげられます。だから利益は大きい方がいいのです。つまり税金をいっぱい払ったら会社はさらに儲かるようになるのです。