時代の流れもあってか冠婚葬祭の簡素化が止まりません。社会の人間関係が希薄になったからでしょうか。
昔はよく「村八分」という言葉を耳にしたものですが、これは村社会の掟や秩序を破った者に対して住民が結束して交際を断つことでした。
とは言っても、そこにはどうしても維持しなければならない「二分」がありました。それが葬儀と火事でした。この二つだけは村社会でも放ってはおけなかったのです。
しかし、このごろの都会の葬儀は家族葬が当たり前になりました。通夜のない一日葬、そもそも葬儀を省いて火葬場に直行する直葬を選ぶ人も増えていると聞きますから「村八分」も今はもう昔です。
結婚披露宴を行う人も少なくなりました。やらない理由は、お金がもったいないという金銭感覚、準備が大変、呼びたいゲストがいない、授かり婚の増加等々。ここにも時代を感じます。
良いとか悪いとかの話ではなく、プライベートな人間関係に無理をしたくない、合理的でありたいという思考なのでしょうか。
私の周りで人生が順回転している人を見てみると、やはり人とのご縁を大切にされている方ばかりです。
反対に、人と関わりを持ちたがらない、最後の別れ際が良くない、過去を切り捨てて生きている、自身の過去を語れない人で成功した人物に出会ったことがありません。
私自身は成功には遠く及びませんが、多くの方々とのご縁には恵まれてきました。特に社員との間に持てた縁には本当に感謝しています。能力の足りない分は、多少の心掛けで補えているのかもしれません。そう信じたいものです。