先日、●千万円の赤字会社の社長と決算の打ち合わせをした際、社長は今現在の自分たちの業界の環境がどれだけ厳しいのかを理由をいくつも並べて説明してくれました。
同じ日に、億円を超える黒字を出した会社の社長と決算の打ち合わせをしたら、いま自分たちの業界はみんな儲かっていると余裕で話されました。
実はこの両社は同じ業界だったのです。同業なのに結果は天国と地獄、その差は一体どこから来るのでしょうか。
景気や天気で赤字になったり黒字になったりでは、誰が経営しても同じです。あなたが経営する意味も必要もありません。
そもそも赤字の言い訳ばかりするような社長の会社だから赤字になるのです。結局のところ、赤字会社の社長が言い訳するのではなく、言い訳する社長の会社が赤字になるのだとあらためて実感しました。
中小企業の業績には景気や天気よりも社長のマインドの方がはるかに影響は大きいのです。
赤字会社の社長は、「私の判断や方針が間違っていた」と認めればいいのです。会社の赤字も、事業の失敗も、採用の失敗も、全部社長の責任です。それを自身が受け入れられて初めて改善策が出てくるのです。
社長の仕事は決定することです。多くの場合正しい決定よりも早い決定が優先されます。いつも正しい決定ばかりはできません。決定が正しくなかったとしても、早く決めて実行したら間違いに気付くのも早くなるのです。
対して、社員の仕事は決められたことを実行することです。決められた通りに実行して結果が悪くても社員に責任はありません。ただし決められた通りにやらなかったらそこは責任を追及されます。つまり経営者には結果責任が、社員には実施責任があります。
『電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのもすべて社長の責任』と言ったのは故一倉定さんです。自分が知らないところで起きた外部環境の変化や社員の行動もすべては社長の責任なのです。自社の赤字について、言い訳も評論も社長の口から聞きたくはありません。