信頼するがいい

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 社内勉強会で社員に聞いてみました。「あなたはどんな人を信頼しますか?」

 社員からは、本音で語り合える人、言うこととやることが一致している人、言訳をしない人、お金にきれいな人、噂話をしない人、相手によって態度を変えない人等々いろいろ出てきます。

「では、あなたの周りに信頼できる人はどれくらいいますか?」に社員は、「・・・・」。信頼のハードルってかなり高いようですね。

 親子の信頼関係についてはどうでしょうか。子供に対して上記のような条件を求める親はいません。親でしたら、理屈抜きに我が子を信頼するのが普通です。

 では、信頼っていったい何なのでしょうか。成果や結果を出せなくてもすべてを受け入れる覚悟があることが信頼だと私は思います。

 我が子が親に多少の悪態をついたり、浪費をしたり、トラブルを起こしたからといって子供に対する信頼が揺らぐことはありません。親には、全ての結果を受け入れる覚悟があるからです。

 だからといって、無条件にすべてを認めるということもありません。中学生の子供に親と同じ権限を与えたり、親と同じようにお金を使わせたりすることはありません。

 その意味では、中小企業は家族に近いものがあると思います。会社は社員のミスも事故もトラブルもすべての結果を受け入れることになります。仮に大きな損害を会社に与えたとしても受け入れるしかありません。それが経営者の宿命です。

 もしも、私が入社した社員を、お互い本音で語り合えるようになるまで、結果を出すまで信頼しないとなったらどうでしょうか。いつの日になるのか、そんな日は来ないかもしれません。

 どのみち結果が同じなら社員を信頼するのがいいのです。信頼するかしないかはこちらが一方的に決められるのです。社員に何の実績がなくても入社初日から信頼するのです。

 採用したのも指導したのもすべては会社、中小企業の場合は社長なのですから。覚悟がないなら社員を雇わなければいいのです。