大石会計では、かつて高校生の新卒採用に挑戦していました。結論から言うと弊社の力不足で上手くいきませんでした。
高校生の就職活動には「学校斡旋」という制度があります。この制度は都道府県によって若干の違いはありますが、学校の推薦を受けて一人の生徒が募集企業の1社にだけ応募する一人一社制が原則です。
近年は高校生の進学率は高まっています。地元都立商業高校の進路状況はホームページによると卒業後就職する生徒は3割に過ぎません。(全国平均は2割です)
その3割の就職希望生徒が学校推薦を受けるために、まずは校内選抜が行われます。これは学校内の成績順に希望企業を選べる権利です。大学の指定校推薦と似ています。
当たり前ですが大手企業、有名企業から先に選ばれていきます。力のない中小企業は優秀な生徒から敬遠されてしまい厳しい戦いになります。
それにしても驚いたことは、採用時面接において聞いてはいけない「質問禁止項目」なるものがあることでした。これは東京都から指導がありました。
出生地、家族構成、親の職業や住宅状況に関することは本人に責任がない事項なので、適性を計るための指針としてはいけないとされています。聞いてしまったら問題のある質問としてハローワークへ報告されるおそれがあります。
上記は理解できたとしても、「人生観・生活信条」「尊敬する人物」「購読新聞、愛読書」等についても質問禁止とされています。これらは本人の能力や適正とは関係なく、本来自由であるべき事項を侵してしまうからだそうです。私の感性では少し混乱してきます。
採用する側において能力以上に知りたいことは、ペーパーテストに表れない本人が大切にしている価値観です。親や友達との関わり方、仕事や社会に対する考え方、つまりは人生観こそが採用に当たっては最重要だと思うのですが。
採用活動は東京都の指導通りに行いましたが私には違和感がありました。高校生の採用は難しいです。こんな私は労働局から怒られちゃいますかね。