憲法9条

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 会社のコラムで憲法9条について書くというのもどうかと思いますが、どのような波紋が生じるのかやってみます。

 今回のロシアのウクライナ侵攻を見て、世界には理屈の通らない“ならず者”が支配する国家があるということを実感しました。

 人間というのは、この地上で最も愚かな生き物だということにも気づきました。動物がほかの生き物を殺すのはお腹を満たすためですから、お腹いっぱいになったら殺すのを止めます。しかし、人間は太古から無意味な殺し合いを重ねてきました。すべては上に立つ者の欲がそうさせているのです。

 日本国憲法9条には戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認に関する規定が置かれています。

 9条は、「外国の武力攻撃」によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として必要最低限度の「武力行使」は容認されると解釈されています。

 この「外国の武力攻撃」を「自然災害」に「武力行使」を「災害救助」に置き換えたらどうでしょうか。

「自然災害」によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として必要最低限度の「災害救助」は容認される・・・となります。

 ウクライナを見て感じたことは、戦争というのは自然災害とは比較にならないレベルでの国家、国民の危機だということです。もしも自然災害の救助に当たる自衛隊員が、人命救助のため必要最少限度の活動をしますと宣言したら国民はどのような反応をするでしょうか。

 大変なバッシングが起こることは想像に難くありません。災害救助には全力を尽くして、外国の武力攻撃には必要最少限度の対応というのもどうかと思います。

 私は憲法9条という平和憲法を持つ日本だからこそできる国際貢献があると思ってきました。しかし、これまでに9条が生かされた積極的平和実現活動が行われたという話は聞いたことがありません。

 北朝鮮は今年に入って毎月弾道ミサイルの発射を繰り返しています。核開発も堂々と宣言しています。他国民を拉致しておきながら悪びれる素振りも見せません。竹島に上陸されても、尖閣で領海侵犯されても日本国は遺憾の意を表するだけです。

 どうしようもない“ならず者”が日本国の前に表れたとき、遺憾の意を表するだけでいいのでしょうか。頭の中がお花畑の指導者の下では国民は安心していられません。 

 ならば、どうすればいいの? 私には答えがありません。しかし国家としてしかるべき対応をとってもらいたいと願います。