「憎まれっ子世に憚る」で、90歳まで生きる

M.T

 いつも朗らかで気丈だった大切な友達が、62歳で逝ってしまった。 誰からも好かれる、本当に、本当に「いい人」だった。

 「いい人ほど早く神様に連れていかれちゃう」なんて言うけれど、あまりに理不尽で悔しくてたまらない。

 いい人が早死にするルールなら、私は決めた。 これからは「憎まれっ子」になって、図太く90歳まで生きてやる。 「憎まれっ子世に憚る」で上等だ。

 彼女が見られなかったこれからの桜も、美味しいものも、くだらない世の中も、全部私がこの目で見てやろうと思う。泥臭くしぶとく、世界のすべてを味わい尽くす。

 何十年も先、たっぷり土産話を抱えてそっちに行ったとき、「ずいぶん長生きして図々しくやってきたわね」って、いつもの笑顔で笑って迎えてよね。